各種検査examination

骨粗鬆症の検査・治療

姶良市で骨粗鬆症が気になる方へ

骨粗鬆症は、骨の量が減少したり骨の質が低下したりすることで、骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。

初期には自覚症状がほとんどなく、転倒や軽い動作をきっかけに骨折して、初めて骨粗鬆症に気づくこともあります。特に、背骨や太ももの付け根を骨折すると、痛みや身体機能の低下によって日常生活に支障が生じることがあります。そのため、骨折してから治療を始めるのではなく、ご自身の骨の状態を確認し、骨折を予防することが大切です。

にしもちだ内科クリニックでは、年齢、既往歴、服用中のお薬、生活習慣などを確認し、必要に応じて骨密度検査や血液検査をご案内します。

骨粗鬆症とは

骨は、一度作られたら変化しない組織ではありません。
古くなった骨を壊す「骨吸収」と、新しい骨を作る「骨形成」を繰り返しながら、常に作り替えられています。
加齢や女性ホルモンの減少、栄養状態、運動不足、病気、薬剤などの影響によって骨吸収と骨形成のバランスが崩れると、骨量が減少し、骨折しやすくなります。
骨粗鬆症では、次のような部位に骨折が起こりやすくなります。

  • 背骨(脊椎椎体)
  • 太ももの付け根(大腿骨近位部)
  • 手首(橈骨遠位端)
  • 腕の付け根(上腕骨近位部)
  • 骨盤
  • 肋骨

骨折を繰り返すと、姿勢や歩行能力が低下し、介護が必要になるリスクが高まることがあります。

骨粗鬆症は症状がないことがあります

骨粗鬆症そのものでは、痛みなどの自覚症状が現れないことがあります。
骨折が起こるまで気づかない場合もあるため、症状がないことだけで骨が健康とは判断できません。
次のような変化がある場合には、背骨の骨折や骨量の低下が隠れている可能性があります。

  • 若い頃より身長が低くなった
  • 背中や腰が曲がってきた
  • 背中や腰に痛みがある
  • 重い物を持っていないのに腰を痛めた
  • 軽く転んだだけで骨折した
  • 立ち上がる際や寝返りで背中が痛む

背骨の骨折では、強い痛みを感じないこともあります。身長の低下や姿勢の変化が気になる方は、医療機関へご相談ください。

このような方は骨粗鬆症の検査をご検討ください

  • 閉経後の女性
  • 65歳以上の女性
  • 70歳以上の男性
  • 軽い転倒や衝撃で骨折したことがある
  • 両親のいずれかに大腿骨近位部骨折の経験がある
  • 若い頃より身長が低くなった
  • 背中や腰が曲がってきた
  • 体格が小さい、やせている
  • 運動する習慣が少ない
  • カルシウムやたんぱく質の摂取が少ない
  • 喫煙している
  • 飲酒量が多い
  • 関節リウマチがある
  • 糖尿病や慢性腎臓病などの持病がある
  • ステロイド薬を長期間使用している
  • 骨粗鬆症を起こしやすい薬を使用している
  • 健康診断や骨粗鬆症検診で骨量低下を指摘された

当てはまる項目があるからといって、必ず骨粗鬆症であるとは限りません。骨折歴、骨密度、持病、服薬状況などを総合的に確認して診断します。

骨粗鬆症の主な原因

骨粗鬆症は、大きく「原発性骨粗鬆症」と「続発性骨粗鬆症」に分けられます。

原発性骨粗鬆症

加齢や閉経などを主な要因として発症する骨粗鬆症です。
特に女性は、閉経後に女性ホルモンであるエストロゲンが減少することで骨吸収が進み、骨量が低下しやすくなります。
主なリスク要因には、次のようなものがあります。

  • 加齢
  • 閉経
  • 遺伝的な要因
  • やせ
  • 運動不足
  • 栄養不足
  • 喫煙
  • 過度の飲酒

続発性骨粗鬆症

病気や薬剤など、特定の原因によって生じる骨粗鬆症です。
関連する病気や薬剤には、次のようなものがあります。

  • 副甲状腺や甲状腺などの内分泌疾患
  • 関節リウマチ
  • 糖尿病
  • 慢性腎臓病
  • 慢性閉塞性肺疾患
  • 吸収不良を起こす消化器疾患
  • 長期の寝たきりや活動量低下
  • ステロイド薬
  • 一部の乳がん・前立腺がん治療薬
  • 一部の抗てんかん薬

持病や服用中のお薬によって骨折リスクが高くなることがあるため、お薬手帳をお持ちの方は受診時にご持参ください。

骨粗鬆症の検査

問診・身体測定

診察では、次のような内容を確認します。

  • 骨折したことがあるか
  • 転倒したことがあるか
  • ご家族の骨折歴
  • 閉経した年齢
  • 持病
  • 服用中のお薬
  • 喫煙・飲酒習慣
  • 食事内容
  • 運動習慣
  • 身長の変化
  • 背中や腰の痛み

身長や体重も測定し、過去の身長と比較します。

骨密度検査

骨密度検査は、骨に含まれるカルシウムなどの量を測定し、骨の強さを評価するための検査です。
骨密度の測定方法には、次のような種類があります。

  • DXA法
  • MD法
  • 超音波法
  • REMS法
  • CTを利用する方法

なかでもDXA法は、腰椎や大腿骨近位部などの骨密度を測定する方法として、骨粗鬆症の診断や治療効果の判定に広く用いられています。日本骨粗鬆症学会は、2025年版の診療ガイドラインを公表しており、骨密度に加えて骨折歴や複数の危険因子を考慮して診断・治療方針を判断することを示しています。

骨密度の数値について

原発性骨粗鬆症の診断では、若年成人の平均骨密度と比較した「YAM値」が用いられます。
ただし、骨密度の数値だけで診断が決まるとは限りません。
骨折歴がある場合や、骨折リスクを高める病気・薬剤がある場合には、骨密度が著しく低くなくても治療が必要と判断されることがあります。

レントゲン検査

背中や腰の痛み、身長低下、姿勢の変化などがある場合には、背骨のレントゲン検査を行うことがあります。
レントゲン検査では、背骨がつぶれる椎体骨折の有無などを確認します。
骨密度検査では骨折そのものを確認できないため、症状や診察結果に応じて複数の検査を組み合わせます。

血液検査・尿検査

骨粗鬆症の原因や治療薬の選択、安全性を確認するため、血液検査や尿検査を行うことがあります。
主に次のような項目を確認します。

  • カルシウム
  • リン
  • 腎機能
  • 肝機能
  • 甲状腺機能
  • ビタミンD
  • 骨代謝マーカー

骨代謝マーカーは、骨が作られる速度や壊される速度を反映する検査です。骨粗鬆症の診断を骨代謝マーカーだけで確定するものではなく、薬の選択や治療効果の確認などに用いられます。

骨粗鬆症の診断

骨粗鬆症の診断では、次の項目を総合的に確認します。

  • 骨密度
  • 骨折歴
  • 背骨の骨折の有無
  • 年齢
  • 性別
  • 体格
  • ご家族の骨折歴
  • 持病
  • 服用中のお薬
  • 喫煙・飲酒習慣
  • 転倒リスク

骨密度が低いかどうかだけでなく、今後骨折する可能性を評価したうえで、治療の必要性を判断します。

骨粗鬆症の治療

治療の目的

骨粗鬆症治療の主な目的は、骨折を予防することです。
単に骨密度の数値を上げることだけではなく、転倒を防ぎ、身体機能や日常生活を維持することも重要です。
治療では、次の取り組みを組み合わせます。

  1. 薬物療法
  2. 食事・栄養管理
  3. 運動療法
  4. 転倒予防
  5. 骨折につながる病気や薬剤の見直し

1.薬物療法

骨粗鬆症の治療薬には、骨が壊される働きを抑える薬、骨を作る働きを促す薬、骨の代謝を整える薬などがあります。
主な薬剤には、次のようなものがあります。

骨吸収を抑える薬

  • ビスホスホネート製剤
  • 抗RANKL抗体製剤
  • SERM
  • 女性ホルモン製剤

骨形成を促す薬

  • 副甲状腺ホルモン関連薬
  • 抗スクレロスチン抗体製剤

骨代謝を補助する薬

  • 活性型ビタミンD製剤
  • ビタミンK製剤
  • カルシウム製剤

どの薬を使用するかは、年齢、性別、骨密度、骨折歴、腎機能、持病、服薬状況などによって異なります。
内服薬のほか、注射薬や点滴薬もあります。患者さまの骨折リスクや生活状況などを踏まえて治療方法を検討します。

骨粗鬆症治療薬の注意点

骨粗鬆症治療薬には、それぞれ服用方法や注意点があります。
例えば、一部の薬剤では、次のような確認が必要です。

  • 腎機能
  • 血液中のカルシウム値
  • 歯科治療の予定
  • 胃や食道の病気
  • 妊娠の可能性
  • 過去の骨折歴
  • ほかの骨粗鬆症治療薬の使用歴

治療中に自己判断で薬を中断すると、薬剤によっては骨折リスクが高まる可能性があります。
副作用が心配な場合や、歯科治療・手術を予定している場合も、自己判断で中止せず、医師や歯科医師へご相談ください。

2.食事療法

骨の健康を保つためには、カルシウムだけでなく、たんぱく質やビタミンD、ビタミンKなどを含む、バランスのよい食事が大切です。

カルシウムを含む食品

  • 牛乳、ヨーグルト、チーズ
  • 小魚
  • 豆腐、納豆などの大豆製品
  • 小松菜などの緑黄色野菜
  • 海藻類

ビタミンDを含む食品

  • 鮭
  • サンマ
  • イワシ
  • サバ
  • きのこ類
  • 卵

ビタミンKを含む食品

  • 納豆
  • 小松菜
  • ほうれん草
  • ブロッコリー

たんぱく質を含む食品

  • 肉
  • 魚
  • 卵
  • 大豆製品
  • 乳製品

高齢になると、食事量の低下に伴って、たんぱく質やエネルギーが不足することがあります。
骨だけでなく筋肉を維持し、転倒を防ぐためにも、特定の栄養素に偏らない食事を心がけることが重要です。

3.運動療法

適度な運動は、骨に刺激を与え、筋力やバランス能力を維持するために役立ちます。
運動の例には、次のようなものがあります。

  • ウォーキング
  • 片足立ち
  • かかとの上げ下げ
  • スクワット
  • 軽い筋力トレーニング
  • バランス運動
  • 姿勢を整える運動

運動の内容や強度は、年齢、体力、骨折歴、関節や心臓の病気などによって調整する必要があります。
背骨の圧迫骨折がある方や骨折リスクが高い方は、前かがみになる運動、身体を強くひねる運動、転倒の危険が高い運動などを避けた方がよい場合があります。
運動を始める前に、医師へご相談ください。

4.転倒予防

骨粗鬆症では、骨を強くするだけでなく、転倒しない環境を作ることが重要です。
次のような対策をご検討ください。

  • 室内の段差を減らす
  • 床に物や電気コードを置かない
  • 廊下や階段を明るくする
  • 浴室や階段に手すりを付ける
  • 滑りにくい靴を履く
  • 視力を定期的に確認する
  • 筋力とバランス能力を維持する
  • 立ちくらみを起こす薬がないか確認する

夜間にトイレへ行く際の転倒にも注意が必要です。

食事やサプリメント

日光とビタミンDについて

ビタミンDは食事から摂取できるほか、皮膚が日光を浴びることでも作られます。
ただし、日光を浴びる時間は、季節、地域、時間帯、年齢、皮膚の状態などによって異なります。
長時間の日光浴は、熱中症や皮膚への影響につながることがあります。特に夏季は、無理に日光を浴びるのではなく、食事や必要に応じた薬剤・補助食品などを含めて医師へご相談ください。

コーヒーや炭酸飲料は控えるべきですか?

コーヒーや炭酸飲料を飲んだだけで、直ちに骨粗鬆症になるわけではありません。
ただし、カフェインを多量に摂取する、牛乳や食事の代わりに清涼飲料水を多く飲む、全体としてカルシウムやたんぱく質の摂取量が少ないといった食習慣には注意が必要です。
特定の飲料だけを避けるのではなく、摂取量や食事全体のバランスを見直すことが大切です。

サプリメントを使用してもよいですか?

食事から必要な栄養素を摂取することが基本ですが、食事だけで不足する場合には、医師の判断でサプリメントや薬剤を使用することがあります。
ただし、カルシウムやビタミンDを過剰に摂取すると、高カルシウム血症、腎機能への影響、尿路結石などにつながる可能性があります。
持病がある方や薬を服用している方は、自己判断でサプリメントを始めず、医師や薬剤師へご相談ください。

骨折した場合は手術が必要ですか?

骨粗鬆症そのものを手術で治療するわけではありません。

ただし、骨粗鬆症を背景に骨折した場合は、骨折した部位や程度によって手術が必要になることがあります。特に、太ももの付け根の骨折では、歩行機能の回復や早期離床を目的として、手術が検討されることがあります。

背骨の圧迫骨折では、安静、装具、薬物療法、リハビリテーションなどが行われますが、痛みや神経症状、骨折の状態によっては外科的治療が検討されることもあります。整形外科での治療が必要と判断した場合は、対応可能な医療機関へご紹介します。

骨粗鬆症に関するよくあるご質問

Q.骨粗鬆症にはどのような症状がありますか?

骨粗鬆症そのものは、自覚症状がないことも少なくありません。
背中や腰の痛み、身長低下、背中が曲がるなどの変化は、背骨の骨折によって生じている場合があります。
症状がなくても、年齢や既往歴などから骨折リスクが高い場合は、検査をご検討ください。

Q.骨密度が低ければ、必ず治療が必要ですか?

骨密度だけでなく、骨折歴、年齢、持病、服用中のお薬などを含めて判断します。
骨密度が低くても経過観察となる場合がある一方、骨折歴などによっては早期の治療が必要になる場合があります。

Q.骨密度検査はどれくらいの頻度で受けますか?

検査の頻度は、治療の有無、使用している薬、骨密度の変化、骨折リスクなどによって異なります。
2025年版ガイドラインを引用した厚生労働省資料では、治療開始後の評価は一般に開始1年後、治療法が確立した後は1年以上の間隔が一つの目安とされています。一方、新たな骨折が生じた場合などには、より早い再評価が必要になることがあります。
医師の指示に従って定期的に検査を受けてください。

Q.骨粗鬆症は治りますか?

骨粗鬆症は、長期的な管理が必要になることが多い病気です。
治療によって骨密度の維持・改善や、骨折リスクの低下を目指します。
骨密度が改善した場合でも、骨折リスクが完全になくなるわけではありません。治療を継続するか休薬するかは、検査結果や使用している薬剤に応じて医師が判断します。

Q.薬は一生飲み続ける必要がありますか?

治療期間は、使用する薬、骨密度、骨折歴、年齢、治療効果などによって異なります。
一定期間で薬を変更したり、休薬を検討したりすることもありますが、薬剤によっては急な中断を避ける必要があります。
自己判断で中止せず、定期的に治療内容を見直すことが大切です。

Q.男性も骨粗鬆症になりますか?

男性も骨粗鬆症になります。
加齢、やせ、喫煙、飲酒、持病、ステロイド薬などの影響によって骨量が低下することがあります。
男性でも、軽い転倒で骨折したことがある方や、骨粗鬆症の危険因子がある方は検査をご検討ください。

Q.若い人でも骨粗鬆症になりますか?

若い方でも、持病、極端な食事制限、低体重、無月経、薬剤などの影響によって骨量が低下することがあります。
過度なダイエットを続けている方、月経不順がある方、骨折を繰り返す方は、医療機関へご相談ください。

Q.治療中に歯科治療を受けてもよいですか?

通常の歯科診療を受けることは可能ですが、使用している骨粗鬆症治療薬によっては、抜歯などの処置前に確認が必要となる場合があります。
歯科を受診する際は、骨粗鬆症の治療を受けていることと、薬の名称を歯科医師へお伝えください。
医師や歯科医師へ相談せず、自己判断で骨粗鬆症治療薬を中止しないでください。

Q.骨粗鬆症の薬に副作用はありますか?

薬によって、胃腸症状、低カルシウム血症、発熱、皮膚症状などが生じる場合があります。
まれな副作用として、顎骨壊死や非定型大腿骨骨折などが知られている薬剤もあります。
副作用の可能性だけでなく、薬を使用しないことによる骨折リスクも考慮し、患者さまの状態に合った治療を検討します。

骨粗鬆症検診について

自治体によっては、一定の年齢の女性などを対象に骨粗鬆症検診を実施しています。
対象年齢、自己負担額、受診方法、実施期間などは、お住まいの自治体によって異なります。
姶良市の検診対象や実施方法については、市から届く案内や姶良市の公式情報をご確認ください。

姶良市で骨粗鬆症の検査・治療をご検討の方へ

骨粗鬆症は、症状が現れてからではなく、骨折する前に気づくことが重要な病気です。
閉経後の女性、軽い転倒で骨折した経験がある方、身長の低下や姿勢の変化が気になる方、ステロイド薬を長期間使用している方などは、一度ご相談ください。

にしもちだ内科クリニックでは、患者さまの年齢、骨折歴、持病、生活習慣などを確認し、必要な検査や治療をご案内します。整形外科での専門的な検査や治療、手術などが必要と判断した場合は、連携する医療機関へご紹介します。